苦情が次々…携帯販売店の不適切な営業、規制強化へ

 携帯電話の不適切な営業を行う販売代理店への規制強化に向け、総務省の有識者会議の初会合が開かれた。不要なプランへの加入を勧められたといった利用者からの苦情が多いためだ。先行して議論を始めた携帯料金値下げに関する研究会と連携し、来年2月をめどに中間報告をまとめ、政策に反映させる。 22日に開かれたのは「消費者保護ルールの検証に関するワーキンググループ」。検討策の柱の一つが、NTTドコモなど大手3社が携帯販売を委託する代理店への規制強化だ。代理店は電気通信事業法で、利用者に契約前に条件を説明することや、虚偽の内容を告げてはいけないことなどが義務づけられている。 だが、利用者が実際に使う通信量に見合わない大容量プランや、不要なオプションサービスへの加入を強く勧める代理店があり、高齢者らから苦情が出ている。全国の消費生活センターなどに昨年度寄せられた大手3社に関する苦情相談は2万件規模。その一部を分析すると、不要な契約を解約したいなど「解約の条件・方法」についてが17・2%あり、心当たりのない請求がくるなど「通信料金の支払い」の24・5%に次いで多かった。具体的には、「スマートフォンの機種変更をする際に、タブレットも契約すると安くなるといわれて契約したが、後日請求を確認したら基本料が月2千円かかっていた」などの相談があった。 会議の出席者からは、大手各社が代理店に払う報酬を算定する際に、高額なプランの契約を重視しているとして「不適切な営業をさせているのは大手各社だ」との指摘も出た。 有識者会議は今後、契約者の利…

金融の過熱感、バブル後で最も高い 日銀リポートで指摘

 日本銀行は22日公表した「金融システムリポート」で、バブル経済崩壊以降で、金融活動の過熱感が最も高まっている、との試算を明らかにした。日銀の大規模な金融緩和で超低金利が続くなか、金融機関は収益拡大のため新たな貸出先を求めている。ただ、リスクがあるのに低金利で貸しているケースもあるとみて日銀は警戒している。 リポートは日銀が春と秋の年2回まとめている。現状は1980年代のバブル期のような行き過ぎた過熱感はみられず、金融システムの安定性にも問題はない、という従来の判断を維持した。ただ、「金融機関が楽観的な見通しだけで行動しないか、注視していく必要がある」(金融機構局)とも指摘した。 地域金融機関に実施したアンケートでは、「(不採算企業に対する)貸出金利が信用コストに見合っていない」と回答した割合が5割近くにのぼり、貸し倒れなどのリスクが高めの先でも、低金利で貸し出している実態が浮き彫りになった。 日銀は景気悪化時に銀行が保有株で損失を被るリスクも指摘。リーマン・ショック級に景気が悪化した場合、貸出先企業の業績悪化による信用コストの増大に加えて保有株式の損失などで、地銀の財務の健全性を示す「コア資本比率」を2・3%幅悪化させるとの試算も示した。(湯地正裕)

記者殺害疑惑のサウジで会議、3メガ銀は参加に苦慮

 記者殺害疑惑で揺れるサウジアラビアで23日から開かれる国際経済会議を巡り、日本の3メガバンクの対応が分かれている。三菱UFJ銀行は三毛兼承(かねつぐ)頭取が出席を取りやめ、代わりに副頭取が出席。一方、三井住友フィナンシャルグループ(FG)、みずほ銀行は当初の予定通り出席する。同会議を巡っては、サウジへの国際的な批判の高まりを受け、各国の政府要人や企業幹部らの参加見送りが相次いでいる。 三菱UFJ銀は三毛頭取が参加を取りやめ、吉川英一副頭取が代理出席する。同行は24日、サウジの首都リヤドに支店を開業予定で、三毛頭取が出席する式典を開く予定だったが中止する。開業は予定通り行う。三井住友FGは22日に対応を検討し、予定通り宮田孝一会長が出席することになった。みずほ銀行も中東などを担当する執行役員が予定通り参加する。 各行は欧米で高まるサウジ批判を考慮しつつ、成長する中東市場を重視する姿勢も見せなければならず、苦しい対応を迫られた格好だ。 国際経済会議「未来投資イニシアチブ」は23~25日リヤドで開かれる。日本からは投資ファンドの出資でサウジと関係が深いソフトバンクグループの孫正義会長兼社長の出席の行方も注目されている。

丸ごとイノシシ「亥い年に」 サントリーの干支ボトル

 来年の干支(えと)「亥(い)」をかたどった「干支ボトル」のウイスキーの製造が、サントリー山崎蒸溜(じょうりゅう)所(大阪府島本町)で本格化している。今回のデザインは、陶製ボトル全体でイノシシをあらわし、表面には松竹梅の模様をあしらった。 22日午前、サントリーホールディングスが製造ラインを報道陣に公開した。干支ボトルの製造、販売は今年で37回目。中身はサントリーのウイスキー「ローヤル」で、1本600ミリリットル入りという。24日までに約1万6800本を製造する。 希望小売価格は税抜き8800円。11月6日から全国の百貨店やスーパーなどに並ぶ。(久保田侑暉)

MRJ、新たな難題 ライバル「企業秘密を盗用」と提訴

 開発が難航している三菱重工業のジェット旅客機MRJが新たな難題を抱えた。カナダの航空機大手ボンバルディアが、自社の企業秘密を不当に使われたとして米連邦地裁に三菱重側を提訴。三菱重は反発しているが、MRJの開発が遅れる要因になりかねない。 「従業員として最後の日に、極めて機密度の高い情報を含んだプレゼン資料と当局との極秘のやりとりを、私用のヤフーメールに送った」。シアトル地裁への提訴は19日付。ボンバルディア社は三菱重子会社の三菱航空機などを相手取った92ページに及ぶ訴状のなかで、三菱側に移った複数の元従業員を名指ししつつ、漏れたとする情報が航空当局からのお墨付きとなる「型式証明」を取るためのものだとの見方を示した。 型式証明は航空機開発での難関…

白川日銀前総裁、経済課題解決「答えは金融政策にない」

 日本銀行の白川方明(まさあき)・前総裁が22日、日本記者クラブで会見し、「過去5年の経験が示すように、日本経済が直面する問題の答えは金融政策にはないことは明らかだ」と述べた。白川氏が2013年3月の総裁退任後、会見で金融政策を語るのは初。安倍政権が黒田東彦(はるひこ)・現総裁と5年以上続けるアベノミクスや異次元緩和への直接的な批判はなかったが、金融緩和の副作用を指摘し、人口減と高齢化が低成長の背景にあると主張した。 白川氏は会見で、「物価が上がらないことが低成長の原因ではない」と持論を展開。日本の00~10年の実質国内総生産(GDP)の成長率は先進国で下位だが、働き手(15歳以上)1人当たりGDPの成長率ではトップクラスだとして、「根本問題は急速な高齢化と人口減少だ」と訴えた。 金融緩和の最大の副作用については、痛みを伴う社会保障費のカットなどから国民の目を背けさせ、「日本全体のエネルギーが、本来向かうべきところで無いところに向かったことだ」と指摘した。 日銀は13年4月に黒田総裁が…

下克上のソフトバンク日本S進出祝い 福岡で優勝セール

 プロ野球福岡ソフトバンクホークスが日本シリーズ進出を決めて一夜明けた22日、福岡市内の百貨店では応援セールが開かれた。衣料品や食品が割安に買えるとあって、どの店も多くの買い物客でにぎわった。 大丸福岡天神店では対象となる婦人服が20~30%引きに。半額以下の寝具もお目見えした。めんたいこの詰め合わせは税別1千円と60%引きになっている。 博多阪急は工藤公康監督の背番号「81」にちなみ、きなこ団子やバナナミルクジュースといった一部食品を税込み81円で販売。グラブやボールをイメージしたパンのセットは810円で売り出した。商業施設のマリノアシティ福岡では衣料品店や飲食店など約100店のテナントが参加し、最大90%引きで販売する。 これらの店ではいずれも24日まで開催する。 23日まで2日間で開催する岩田屋本店と福岡三越もほぼ全ての売り場でセールを開催。衣料品や寝具などの商品の中には、通常の半額程度で買えるものもあるという。 ホークスは日本シリーズで広島東洋カープと対戦し、最も早くて31日に日本一が決まる。百貨店関係者は「日本一になればさらに盛り上がる。もっともっと勝ち進んで欲しい」と期待して、すでに「次」に向けたセールの準備を進めているという。(田幸香純)

「とりあえず解雇」なぜ? 日立の実習生トラブルを解説

 日立製作所がフィリピン人技能実習生40人に実習途中で解雇を通告し、波紋が広がっています。解雇された実習生たちは日立との団体交渉の末、19日に賃金補償で大枠合意に至りましたが、日立の実習計画が国側に認められない限り、いずれ帰国を迫られます。経団連会長を務める日立の中西宏明会長は「違法を避けるために、とりあえず解雇した」と説明しています。どんなトラブルが起きていて、背景には何があったのでしょうか。Q&A形式で解説します。     ◇ Q フィリピン人の技能実習生はどうして解雇されたの? A 9月20日付で解雇された20人は昨年7月、3年間の実習のために入国し、日立の鉄道車両製造拠点の笠戸事業所(山口県下松市)で働いていた。全員が20代だ。20人の在留資格が技能実習から短期滞在になり、近く日本を出国せざるをえなくなったことが解雇の理由だと日立は説明している。 Q なぜ、在留資格が短期滞在に変わったの? A 笠戸事業所では実習生に目的の技能が学べない作業をさせている疑いがあり、国の監督機関「外国人技能実習機構」から2年目以降の実習計画の認定が得られていない。このため、技能実習生として在留できなくなったという。 Q 実習生は解雇に納得しているの? A いや、実習生側は雇用契約は3年間で、不当解雇だと主張している。解雇の通告を受けた実習生らは、個人で加盟できる労働組合「スクラムユニオン・ひろしま」(広島市)に入り、救済を求めた。実習生側は今月、残りの実習期間約2年分の賃金補償を求めて日立と団体交渉を重ねた。 Q 実習計画の認定が得られないと、解雇は避けられない? A 実習生が加入した労組は「在留期限が来ても、休業扱いで一時帰国させればよい」と指摘したが、日立は「いったん帰国すると呼び寄せが難しい面もある」(広報・IR部)として解雇は正当だと説明してきた。 Q 団体交渉はどうなったの? A 下松市で19日に開かれた4度目の団交で、日立は国側から実習中止の処分を受けた場合、残りの実習期間約2年分の基本賃金を補償する考えを示した。実習生側が受け入れ、賃金補償で大枠合意した。実習生側は団交で折り合えなければ、日立を相手取って損害賠償請求訴訟を起こす考えだったが、提訴は見送る方針だ。 Q 笠戸事業所はどんな拠点? A 1921年に鉄道車両の製造を始め、新幹線や特急電車、モノレールなどを製造してきた。2012年に英国の都市間高速鉄道事業を受注したことで生産が大幅に拡大。15年に英国向けに出荷を始めた。英国の高速鉄道の受注数は866両にのぼる。日本企業が海外から受注した鉄道事業としては最大規模だ。安倍政権が成長戦略に掲げる「インフラ輸出」を支える重要な生産拠点で、実習生は政権の成長戦略を支える存在になっている。 Q 実習生は笠戸事業所にどんな技能を学びに来たの? A 日立によると、笠戸事業所は制御盤や配電盤を作る「電気機器組み立て」と溶接などを学ぶ技能実習生として約270人を受け入れている。全員がフィリピン人だという。 Q 実習生は、習得目的の技能とは違う作業をさせられていたということ? A 複数の実習生は朝日新聞の取材に、英国向けの高速鉄道や日本の新幹線の車両に、窓や排水パイプ、トイレなどを取り付ける作業しかしておらず、「電気機器組み立ての技能が学べない単純作業ばかり」と証言している。たとえば、フィリピンの理科系大学を卒業して来日した実習生は、4人1組で重さ120キロ超の窓を運び、鉄道車両に手作業で取り付ける日々を繰り返していたといい、「これで技能が学べるのか」と訴えている。国は技能習得に必須の業務を定めているが、窓などの取り付けは該当しない。 Q 実習生の労働実態を調べる必要があるね。 A 技能実習制度を所管する法務省は7月、外国人技能実習制度適正化法に違反している可能性があるとみて、実習機構とともに笠戸事業所を実地検査した。法務省関係者によると、国や実習機構は日立で適正な技能実習ができるかどうかを検査中のため、実習生の2年目以降の実習計画は認定できないと判断しているという。 Q それで、実習生の在留資格が切り替えられたというわけだね。実習生に落ち度はないのでは。 A 労組側は「日立がいい加減な技能実習をしていなければ、実習生が帰国する事態にならなかったはずだ」と訴えている。日立は昨年8月に入国した実習生20人にも今月、解雇を通告した。年内に在留資格の更新がある実習生はまだ別に59人いる。このまま実習計画が認められずに解雇が続けば、しわ寄せは実習生に向かう。 Q 三菱自動車と日産自動車でも、実習生に実習計画外の作業をさせていたことが発覚したね。 A 三菱自は岡崎製作所(愛知県岡崎市)で、溶接の現場がないのに溶接技能を学ぶ目的の実習生を働かせていた。日産は横浜工場(横浜市)と追浜工場(神奈川県横須賀市)で、実習計画外のバンパー塗装などを実習生にさせるなどしていた。いずれも国が定める「技能」にあたらず、不正行為にあたる。日立の実習生は「監理団体」の「協同組合フレンドニッポン」(本部・広島市、FN)が紹介していたが、FNは三菱自や日産にも実習生を紹介していた。「監理団体」は、国の許可を得て実習先の紹介や実習状況の監査を担う非営利の団体のこと。法務省と実習機構は、FNが適正に監査をしていたかどうかも調べている。 Q 三菱自や日産の実習生はどうなったの? A 両社はそれぞれ実習生に一定の配慮をした対応をとった。三菱自は、一部の実習生を溶接現場のある別の企業に転籍させ、帰国希望者には残りの期間の賃金を補償して国に報告した。日産は、滞在期限が来た実習生十数人の雇用を維持したまま一時帰国させ、計画が認定されれば呼び戻すことにした。一時帰国した実習生の社会保険料なども負担しているという。 Q 両社と比べ、日立の対応は? A 国は日立に適切な実習職場を探すなどの改善策を期待しているが、政府関係者からは、改善策を講じずに解雇に踏み切った日立の姿勢を疑問視する声も上がっている。9月に解雇を通告された20人は、入国管理局の決定で今月20日までだった滞在期限が30日間延びた。実習生が加入した労組「スクラムユニオン・ひろしま」は、国の処分が出るまでの生活費の補償水準について交渉を続ける構えだ。 Q 外国人技能実習生を実習計画と違う仕事につかせる問題は、これまでも受け入れ先の中小企業や農家などで指摘されてきた。 A 人手不足の深刻化を背景に、実習生の多くは労働力として活用されているのが実情だ。実習生を「安価な働き手」として利用する実態が国内外で批判されているなかで、日本を代表するグローバル企業の日立でも実習制度を巡る不正の疑いが発覚したことは、制度への信頼を大きく揺るがしかねない事態だ。「すべての人々の人権を尊重する経営を行う」との原則を盛り込んだ企業行動憲章を掲げる経団連の会長が輩出する企業で、不正の疑いが明るみに出た事実は重い。 Q 経団連会長を務める日立の中西宏明会長はどう説明しているの? A 中西氏は9日の経団連の定例記者会見で、「(実習生の)ビザが変更されたので、就労させると違法になる。違法を避けるために、とりあえず解雇をして、いまの実習計画でよいと判定できてワーキングビザになれば、ただちに復職させる」と説明した。「適法うんぬんのことはいっさいまだ結論が出ていない」「違法性はいま現在、ないと信じている」とも述べた。提訴された場合の対応については、「そんなこと僕に聞かないでよ。朝日新聞さんがマニアックに追いかけている話なのだから」と述べ、言及しなかった。 Q 実習生の受け入れ先への監督を強化する外国人技能実習制度適正化法が昨年11月に施行され、実習機構が新設された。 A 実習生を保護するために、実習機構の役割が重要になる。法務省や実習機構は今後、日立やFNに対して改善を求める処分を検討している。「スクラムユニオン・ひろしま」は、日立が19日の団交で「実習は適正」との姿勢から譲歩した点を評価しており、国側が今後、日立の実習の適否をどう判断するかが注目される。

カルソニック親会社、8千億円で伊部品大手を買収

 自動車部品大手カルソニックカンセイ(さいたま市)は22日、親会社のCKホールディングスが欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)子会社の自動車部品大手マニエッティ・マレリを買収すると発表した。買収額は62億ユーロ(約8千億円)。2019年上半期の買収完了をめざす。 発表によると、2社の17年度の売上高は計152億ユーロ(約2兆円)となり、世界の部品メーカーではトップ10前後になる模様だ。日系部品メーカーとしてはデンソー(5・1兆円)、アイシン精機(3・9兆円)に次ぐ規模となる。 カルソニック、マニエッティとも車載の電子製品などに強みがあり、カルソニックはアジアと北米に、マニエッティは欧州と南米の市場に強みがあるため、相乗効果が見込めるという。 自動運転や次世代車をめぐる開…

サイバー攻撃対策で「演習」 金融庁が銀行などと実施

 金融庁は22日、金融機関のシステムが外部から違法な侵入を受けたことを想定したサイバーセキュリティー演習を始めた。銀行や仮想通貨交換業者など105社が参加して26日まで続ける。サイバー攻撃を受けたときの対応能力や機動力を底上げするのが狙いだ。 この日は複数の地方銀行が加わる共同システムにコンピューターウイルスが送り込まれた事態を想定。行内への注意喚起やウイルス対策の専門業者との連携方法について点検した。仮想通貨交換業者との演習では、顧客情報の外部流出が発覚した際、経営陣への報告や社内の連携、適切な広報の準備ができているかを確認する予定だ。 世界各国では最近、外部からパソコンを強制ロックし、持ち主が使えない状態にした上で金を要求する「ランサムウェア」の被害が続出。国内では仮想通貨の不正流出も相次ぐ。2020年に東京五輪・パラリンピックを控え、金融庁は日本の金融機関のシステムが狙われるリスクは高まっていると警戒する。担当者は「あらゆるサイバー攻撃を防ぐことには限界がある。攻撃を受けた後に適切な対応が取れるかどうかが大切だ」と語る。(山口博敬)