「WTOはもはや持続可能ではない」再興へ日欧など連携

 保護主義が米国などで高まり、危機に直面している世界貿易機関(WTO)を立て直すため、中核となる13カ国・地域のグループが立ち上がった。 日本や欧州連合(EU)、カナダなど13カ国・地域の通商担当閣僚らが24、25の両日、カナダ・オタワで会合を開き、WTOの改革案を連携して取りまとめていく方針で一致した。WTOを中心とした自由貿易体制を守ることを狙う。 WTOは多国間での貿易ルールづくりや、加盟国間の貿易紛争の処理を担う国際機関だ。トランプ米大統領はWTOのルールや運用方法などに不満を示し、離脱を示唆。米国はWTOの紛争処理機関で最高裁にあたる上級委員会の委員人事にも反対し、委員不足から紛争処理の機能が停止するおそれも強まっている。 会合後に発表された共同声明では、上級委について迅速な委員補充を求め、紛争処理の仕組みの強化に取り組むとした。さらにWTOによる加盟国の貿易政策への監視機能の強化の必要性を強調。競争をゆがめる政府の補助金についてWTOに報告する義務を果たしていない国が多いため、義務を果たす仕組みづくりなどを検討する。来年1月に再び会合を開き、具体的な改革案を詰める。 主催したカナダのジム・カー国際貿易多様化相は会合後の記者会見で「WTOはもはや持続可能でない。(改革に向けた)行動が必要だ」と訴えた。日本から参加した関芳弘経産副大臣は「会合では非常に危機感を共有した。今回の参加国だけでなく、みんなで課題を共有して(改革を)進めていかないといけない」と述べた。(オタワ=寺西和男)