映画『スリー・ビルボード』3枚の広告看板が田舎町に騒動を巻き起こす

映画『スリー・ビルボード』3枚の広告看板が田舎町に騒動を巻き起こす
©2017 Twentieth Century Fox

アメリカ南部の田舎町。無愛想な中年女性ミルドレッドがバンジョーの音色をBGMに、広告代理店に乗り込んでいく。これが西部劇のスタイルを踏襲した復讐劇だということが、一目瞭然の幕開けだ。

彼女の武器は、寂れた田舎道の脇に立つ三連の広告看板。文章で、自身の娘がレイプされた上、焼き殺された7ヶ月前の事件の捜査が進まないことを、地元の警察署長に「なぜ?」と訴えかける。

ここから始まる戦いは、基本的に言葉の応酬だ。署長を尊敬する警察官や住民からどんなに抗議や嫌がらせを受けても、ミルドレッドはまったく怯まずに応戦する。署長のような話のわかる相手には丁寧に、下劣野郎にはそのレベルの言葉を使う喧嘩殺法は痛快で、爆笑せずにはいられない。

また、ミルドレッドが後悔しているある発言は残酷で、ある人物の心を大きく動かす一通の手紙は感動的だ。言葉の力をあの手この手で駆使し、観客の怒りや涙、笑いを誘う、アカデミー賞作品賞最有力候補のクライム・サスペンス。