インド鉄鋼大手の買収へ前進 新日鉄住金 人口増見込む

 新日鉄住金は、インド鉄鋼大手エッサール・スチールへの買収交渉を共に進めている世界最大手のアルセロール・ミッタル(ルクセンブルク)が、売却先を決める入札で落札者に選ばれたと発表した。買収額は4200億ルピー(約6500億円)前後とみられ、ミッタルが過半を出資する見通しだ。 インド国内外の裁判所や関係当局の許認可を得た上で、買収手続きが完了する。 エッサールはインド西部のグジャラート州に製鉄所を持つ。直近の生産能力は年1千万トンあるが、多額の負債を抱えてインドの倒産・破産法の適用を受け、再建手続きを進めている。ミッタル側が今年2月、入札に参加していた。 人口の増加が続いてインフラ向けの鉄鋼需要が旺盛なインドは、「中長期的に成長が見込まれる最も有望な市場」(新日鉄住金の進藤孝生社長)だ。新日鉄住金は、鉄鉱石の鉱山や大規模な生産設備を持つエッサールの経営に参加することで、インド国内でのシェア向上を図る。(箱谷真司)

日立、台湾エレベーター大手を買収へ クラリオン売却も

 日立製作所は、グループで約12%出資する台湾のエレベーター製造大手、永大機電工業を買収すると発表した。来年中に株式公開買い付け(TOB)を実施し、約217億台湾ドル(約784億円)を投じて100%子会社にする計画。永大は中国のマンション向けに強い。日立は買収により、中国のエレベーター市場で3~4位とされるシェアを1位に引き上げることをめざす。 また、日立はこの日、約64%出資するカーナビ子会社のクラリオンを、仏自動車部品メーカーのフォルシアに来年3月にも899億円で売却すると正式に発表した。フォルシアによるTOBに応じて保有株をすべて手放す。クラリオンの雇用や工場は維持される見通しだ。 日立は自動車機器事業の強化に向けて2000年代半ばにクラリオン株を取得して子会社化したが、低価格競争などで業績が低迷。フォルシアは買収によって開発力を強化する狙いとみられる。

「一人勝ち」変わらず? 米7~9月期GDP3・5%増

 米商務省が26日に発表した2018年7~9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)の速報値は、年率換算で前期(18年4~6月期)比3・5%増となった。3・3%程度の増加を見込んだ専門家の予想を上回った。ただ、不安定なトランプ政権の経済通商政策や、米国が世界から突出した成長を続けることへのリスクが懸念されている。 個人消費は4・0%増となり、米政権が進める大規模な減税の効果で拡大が続いていることが裏付けられた。ただ、企業による設備投資は0・8%増にとどまって減速がみられ、中国などからの追加の関税の影響を受けている輸出は3・5%減となった。全体の成長率は、前期に比べると減速したが、引き続き、持続可能な成長水準とされる2%弱を上回っている。 好況期にあえて減税による消費拡大を重ねてきたことに対し、景気過熱への懸念も高まっている。国際通貨基金は今月、米中通商紛争の激化などを背景に世界の成長率見通しを2年3カ月ぶりに下方修正し、米国が「一人勝ち」状態にある世界経済のバランスの悪さに強い懸念を表明した。 11月6日の中間選挙を前に、トランプ大統領は好況をアピールしつつ、利上げを進める米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長に異例の批判を重ねている。米中通商紛争が長引くリスクも意識して、米金融市場はここのところ不安定な動きを続けている。(ワシントン=青山直篤)