伊藤次郎左衛門祐洋さん「お別れの会」 松坂屋の創業家

 松坂屋(現大丸松坂屋百貨店)で最後の創業家出身の社長で、7月に85歳で亡くなった伊藤次郎左衛門祐洋(じろざえもんすけひろ)さんの「お別れの会」が23日、名古屋市内のホテルであった。多くの参列者が故人をしのんだ。 伊藤さんは伊藤家の17代目当主。社長に就任した1980年、米ロサンゼルスに進出した。82年2月期には、名古屋店の売上高が中部の百貨店で初めて1千億円を突破した。

「再生医療」に照準 繊維メーカー各社が相次ぎ参入

 繊維メーカーが、「再生医療」分野へ続々と参入している。繊維加工で培った技術を医療やバイオ事業に応用してきたが、さらなる成長分野だと注目し始めた。10日にはグンゼが参入を表明するなど、各社は開発に力を注ぐ。 再生医療は、患者にとっては度重なる手術を少なくし、経済的な負担も減らせるとして期待されている。グンゼは10日、ひざ軟骨の再生を促す医療用シートを今秋に売り出すと発表した。手術の際、損傷部分に貼り付けて使う。軟骨に小さな穴を開けてにじみ出させた骨髄液とシートが一体となって、修復していく。シートは最終的に分解され、手術から約15週間で体内に吸収されるという。縦3センチ、横3センチのシートで価格は約10万円で、医療機関などへの納品をめざす。 これまでは軟骨がすり減ったり欠けたりすると、患者の体の別部分から手術で軟骨組織をとりだし、培養して移植する必要があった。このシートを使えば軟骨の採取や培養もいらず、治療費用も約10分の1に減らせるという。今秋に欧州で試験的に売り出し、将来的には日本や米国、中国にも広げていく考えだ。 東洋紡はすでに、神経再生誘導チューブを国内で販売しており、9月からは米国での試験販売を始めた。今年度中には、あごの骨の再生に寄与するというスポンジ材の国内販売を予定する。帝人は、血管修復パッチの開発を進めている。伸縮性のある素材を使うことで、子どものときに心臓手術をしても体の成長とともにパッチも大きくなっていくという。(金本有加)

ネット直販の「白い」ガスコンロ好評 消費者の好み探る

 リンナイが直販サイト限定で白いガステーブルコンロを売っている。ガス器具は汚れの目立たない濃い色が定番。しかし、2011年の発売から継続的に人気を集め、9月に4代目の製品を発売。10月にはシリーズ初の級モデルを売り出した。 本体が白色なのは、量販店で売る製品と差別化するため。販売実績は非公表だが、珍しい色合いや、台所が明るくなる効果が好評という。 4代目「ホワロ」は税抜き2万2545円。コンロを2口備え、火勢を調節するつまみは4種類から選べる。前のモデルで2割強だった男性客を増やそうと、落ち着いた黒色をつまみの選択肢に加えた。「3代目」に続き、パンを焼くトースター機能も搭載。家電の数を減らしたい一人暮らしの若者を意識した。 扱いを直販サイト「リンナイスタイル」に限定するのは、消費者の好みをじかに知るためだ。12年発売の2代目は、ピンクやオレンジなど10色以上からつまみを選べるようにした。好まれる色合いを購入者の年代や性別ごとにデータ化し、その後の製品開発に反映させた。 10月にはタイマー機能などをつけた上級モデル「ホワロシープラス」(税抜き5万1800円)も投入した。白いデザインを好きになった共働き世帯などの購入を見込んでいる。リンナイはホワロで得た知見を厨房(ちゅうぼう)機器の開発チームで共有。消費者に選ばれる製品の開発に役立てるという。(山本知弘)

今世紀末、ビール価格2倍に? 異常気象で大麦に異変

 将来、異常気象が増えると、ビールの価格が2倍以上に高騰する――。こんな予測を米国や中国などの国際研究チームが英科学誌「ネイチャープランツ」に発表した。世界各地が深刻な干ばつや猛暑に見舞われ、主原料の大麦の収量が大幅に減るためだという。 研究チームによると、大麦は家畜の飼料や食用にも使われており、日本では輸入分も含めて約30%がビールに使われる。研究チームは、四つの気候変動シナリオをもとに2099年までの大麦収穫量を予測。気候変動の影響が大きいシナリオでは、大麦の収量が減ってビール製造に十分回せなくなり、世界のビール消費量の16%にあたる約300億リットル分が減り、今世紀末のビールの価格は2倍になるという。 日本でも、例えば約300円の500ミリリットル缶の価格が約390円上がって2倍以上になる可能性があるという。発泡酒など大麦の使用量が少ない飲料ではその影響はやや少ないとみられる。研究チームは「健康には良いと思うかもしれないが、多くの人に気候変動について考えてもらうきっかけにしたい」と話している。 研究成果はネイチャープランツ電子版()で公開されている。(杉本崇)

自動車輸出額、14カ月ぶり減少 9月の名古屋税関管内

 名古屋税関が発表した9月の管内輸出額(速報)は前年同月比1・3%増の1兆6485億円だった。金属加工機械や自動車部品の伸びが続いており、増加は20カ月連続だった。 自動車の輸出額は7・8%減の4676億円で14カ月ぶりに減少に転じた。米国や欧州向けの輸出が減ったことが響いた。主な要因は生産拠点が管外に移ったためで、現段階では「通商摩擦の影響とは見ていない」(名古屋税関)という。地域別では、中国を含むアジア向け輸出が9・7%増の6507億円と引き続き好調。米国向けは6・3%減の4252億円と3カ月ぶりに減少に転じた。 輸入は燃料価格が上がった影響で、18・4%増の8846億円だった。 同日発表した2018年度上半…

CoCo壱番屋、17年ぶり社長交代 海外出店強化

 「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する壱番屋(愛知県一宮市)は22日、葛原(くずはら)守副社長(51)が社長に昇格する人事を発表した。浜島俊哉社長(59)は代表権のない会長に退く。来年3月1日付。2002年6月以来、約17年ぶりの社長交代となる。 浜島氏は1980年に国内1号店で働き始め、02年に創業者の一人、宗次直美氏から社長職を引き継いだ。在任中に国内店舗数は約800店から約1300店に増加。売上高も約300億円から500億円近くまで伸ばした。名古屋市で会見し、「60歳という節目の年齢を迎えるので、若い葛原氏に託したかった」と語った。中国1号店となる上海への出店について03年に事業への希望者を募った際、葛原氏が挙手したという。「意欲が全てで、相当な覚悟で結果を出した。彼なら間違いない」と、3年以上前から交代を考えていたことを明かした。 葛原氏は04年の上海出店から一貫して海外事業を担当。海外出店を本格化させてきた。壱番屋は現在、11カ国・地域で165店舗を展開する。中国での店舗拡充やインド進出に前向きで、「早ければ2年後にも海外300店を達成できる」とした。将来は海外店舗数を国内と同程度の1千店まで増やす考えを示した。

伊首相、予算案を修正せず 欧州委が財政規律違反を指摘

 イタリアのコンテ首相は22日、財政赤字が国内総生産(GDP)比で2・4%に達する見込みとした来年の予算案について、欧州連合(EU)の欧州委員会が求める修正要求に応じない意向を明らかにした。欧州委は18日、同予算案は「EUの財政規律に対する前例のない違反」と指摘し、同予算案の見直しについて22日までに回答するようイタリア政府に求めていた。 コンテ氏は22日、国外メディア向けに会見し、「真剣に見積もって組んだ予算案で、(欧州委の)批判を受けたから変えるようなものではない」と述べ、欧州委の修正要求に反発した。財政赤字が対GDP比で2・4%に達する見通しについては、「最悪の場合の数字であって、実際は下回る」と釈明した。 また、EUの枠組みやユーロからイタリアが離脱することはないと強調し、「欧州委には我々の経済政策を繰り返し説明する。対話を続け、協力していく」と述べた。 イタリアメディアによると、欧州委が求める修正要求にイタリア政府が応じないことについては、トリア経済・財務相が22日、欧州委側に文書で回答したという。 欧州委は23日、イタリアの予算案について検討する。欧州委がイタリアの予算案を却下すれば、欧州委が2013年にEU加盟国の予算案を審査・却下する権限を手にして以来、初めてのケースとなる。イタリアの財政悪化がより深刻化する懸念が強まり、同国債の売りが加速する恐れがある。(ローマ=河原田慎一)

NYダウが反落、126ドル安 米国とサウジの関係懸念

 週明け22日のニューヨーク株式市場は、世界経済の先行き不透明感が強まっていることなどから、大企業でつくるダウ工業株平均が反落した。終値は前週末比126・93ドル(0・50%)安い2万5317・41ドルだった。 この日の中国市場で株価が急回復したことから、ダウ平均は上昇して始まった。ただ、イタリアの財政問題が深刻化しかねないとの警戒感や、米金利上昇で住宅ローン販売が伸び悩むとの見方から、ゴールドマン・サックスなどの金融株が大きく売られて相場を冷やした。 サウジアラビアの記者殺害疑惑を受け、米国とサウジの関係が悪化し、中東情勢が流動化しかねないとの懸念も市場に根強い。米中貿易摩擦激化への警戒感も影を落とし、ダウ平均の下げ幅は一時、200ドルを超えた。 一方、2018年7~9月期決算の発表を控え、好業績が期待されるインテルやアップル、マイクロソフトなどのIT関連銘柄が買われ、相場を下支えした。ハイテク株の比率が高いナスダック市場の総合指数は上昇し、前週末比19・60ポイント(0・26%)高い7468・63で取引を終えた。(ニューヨーク=江渕崇)

ストロー、突然「悪者に」 シェア半分握る会社の疑問

 プラスチック製ストローが、海を汚染する「悪者」にされてしまった。マクドナルドやガストなど、外食大手が相次いで使用をやめると表明している。このプラ製ストローの製造で国内シェアの半分を握るメーカーが、岡山県浅口市にある。人口約3万5千人の小さな町の、社員50人の会社だ。さあ、どうする? 岡山県の南西部にある浅口市は、もともと小麦が特産だった。麦の茎を使ったストローが明治期につくられるようになり、日本のストロー産業発祥の地とされる。 国内のストロー製造でトップを走るシバセ工業は1969年に事業を始めた。 蔵のような外観の工場には、生産ラインが6本。「ポリプロピレン樹脂」という米粒ほどの大きさの原料を高温で溶かし、管状にして伸ばす。水をくぐらせると冷えて固まる。これを機械で均等な長さに切る。1秒あたり5~10本のペースで出来上がる。 直径3・5ミリのカクテル用から、専門店が増えている「タピオカミルクティー」を吸うための1センチを超す太いものまで。機械が素材を押し出す速度を調節することで、直径や肉厚を変えることができる。形もストレート型や、折り曲げられる蛇腹付きなど、200種類以上の商品がある。 「プラ製品の存在が悪いのではなく、問題は廃棄の仕方にあるのに」。磯田拓也社長(58)は、急にわき上がった「ストロー廃止運動」に疑問を投げかける。 ただし、すぐに影響が出るわけ…

中国の国有企業、民営株買い支え 「国進民退」懸念も

 米中貿易紛争の影響を受けて株価が下落傾向にある中国で、国有企業が株価対策のために民営企業の株を買う例が相次いでいる。苦境に立つ民営企業を支援するねらいがあるが、これをきっかけに、国有資本が躍進し、民営企業が衰退するという意味の「国進民退」観測が高まり、指導部を悩ませている。 中国株は今年初めから下がり続け、18日に代表的指数の上海総合指数が2500を割った。この間、株価対策として動いたのは国有企業だった。18日の中国メディアの報道によると、今年6月以降、国有資本が民営企業の株式を買ったケースは29に上る。 民営企業は融資も受けにくくなっている。金融リスクを減らす指導部の政策のもと、銀行融資は主に暗黙の政府保証がある国有企業に流れてきた。民営企業への融資規模は2015~17年の間、4分の3に減る一方、国有企業への融資は3倍に膨らんだという。 そこで、民営企業はリスクの高い株式を担保にお金を借りてしのいできたが、今回の株価の下落で金融機関に差し入れていた担保の価値が減少。資金繰りが懸念されるに至り、22日に国務院(政府)は常務会議を開いて民営企業の資金繰りを支援する方策を決めた。 株価の下落をきっかけに浮上した「国進民退」観測に対し、指導部は否定に躍起だ。経済政策を仕切る劉鶴(リウホー)副首相は19日、新華社通信などの取材に応じて見解を表明。「(国有企業の支援は)民営企業の困難克服を助けるためで、良いことだ。民営企業の経営が良ければ撤退できる」「国有企業への融資は安全だが、民営企業への融資は政治的リスクがあるという考えは間違っている」などと述べ、観測を打ち消そうとした。 当局が否定に走る背景には、米…